ロードバイクで仲間と走っていたり、レースに出てゴール直前ですることがあります。その時に負けないよう上達するためにスプリントの練習メニューを紹介します。


1.スプリントとは?

スプリントに必要な技術―逃げを仕掛ける、逃げに追いつく、コーナー出口で加速する、集団で位置をキープする―これらは勝利に必要な技術です。

スプリント力強化に特価した練習は、バイクコントロール技術の向上のみならず、最大パワー出力の向上も目的とします。

スプリントには3つの展開があります。ジャンプ、アクセレーション、トップエンドだ。


2.ジャンプとは?

飛び出しは短く、しかし強烈にパワフルに行なう。最大の力をペダルに出力し、周りのライダーから一歩抜け出します。

ジャンプ力のあるライダーは最初の飛び出しで集団からバイク数台分抜け出すことができます。最初のキックの後に、加速(アクセレーション)、そして最高速(トップエンド)の維持ができれば、勝利の可能性は高いです。

集団から頭1つ最初に抜け出し、皆に追走させるでしょう。

PowerStartsのようなトレーニングを行い、猛烈な加速をつかさどる筋力を鍛えましょう。


3.PowerStartsとは?

強度:最大、回数:一回につき8 -12秒 x 4 -12セット。完全に回復してから次のセットに入る。

周期:前回の同様のトレーニングから36時間置くこと、地形:平坦もしくはローラー台、使用ギア:52-53 x 12-16

やり方:平地の静止状態から、前述のギアで最大パワーのスタートダッシュをする。ダンシング:ペダルを10回転以上まわしたら、もしくは12秒経過したら、止める。


4.アクセレーションとは?

飛び出したら、最高速へ加速する。ここで重いギアにシフトする誘惑に負けないこと。

ギアを重くして抵抗が増えると、ケイデンスが落ちます。ギアチェンジはケイデンスと連動しなければならない。

例えば、53 x 17でジャンプしたら、まず130回転までもっていきます。そして一段重くして、再び130回転まであげ、さらに重くする・・・これを繰り返す。

こまめにシフトすることによって重いギアにシフトした時の抵抗を減じ、ロードバイクを「ロケット」のように加速できます。加速力強化には、 FlatSprintsがいいでしょう。


5.FlatSprints

強度:最大、地形:平坦追い風もしくはローラー台、やり方:巡航スピードから全力ダッシュ

回数:8-10秒スプリントする。筋肉が完全に回復するまで、そして意味のあるスプリント練習のため、5-10分回復を待ちます。


6.トップエンドとは?

飛び出し、加速し、後続に差をつけたら、そのスピードを最後まで追いつかれないように維持する。理想をいえばゴールラインまで加速しつづけること。

それができなくても残り100mで減速しないようにします。十分なトップエンドスピードの維持とは、20秒間、無酸素状態で最大出力を維持する、ということです。

多くのスプリンターはジャンプとアクセレーションの練習ばかり重視し、トップエンドスピードの練習を怠ります。そういうライダーは最終コーナーを一番手にでてきて、勝利は確実、と見えるのだが、徐々にタレ始めゴールラインの前で集団に飲み込まれる。

トップエンドの維持にはPowerIntervalのトレーニングがよく、乳酸への耐性を高めます。長時間の最大出力で筋肉中の乳酸は増加します。

乳酸への耐性が、すなわちどのくらいの間最高速を維持できるかを左右するからですね。


7.PowerIntervals

目的:乳酸への耐性を高める。レースの終盤、みなが息も絶え絶えになっているときにアタックする能力の向上。

強度:最大、回数:3-5分間 x 3-8。セットに分けてもよい。1:1か1:1.5の割合で回復時間をもつ

周期:前回の同様のトレーニングから36時間置くこと、地形:平坦もしくはローラー台、ケイデンス:110 – 120以上。

やり方:一分かけて最大出力までもっていき、その強度を維持します。最後の2分により、有酸素運動能力が向上する。軽いギアにしてもよいが、運動強度は保ってください。


8.まとめ

大型でパワフルなスプリンターは、高いトップスピードを持つが、加速力に時間がかかるため仕掛けを早目にする必要があります。

小柄なスプリンターはパワーウェイトレシオが良いため最初の加速で一気に抜け出せるが、トップスピードを維持する筋肉の質量に劣っています。これゆえ短めのスプリント、コーナーがあるスプリント、登りスプリントが小柄なライダーに向いています。

上記のメニューをこなすのには、相当の精神を要します。おそらく一人だと心が折れるので、ロードバイク仲間と一緒にトレーニングするのがいいでしょう。

その方がきっと上達することでしょう。