ロードバイクに乗っている人なら誰しも、早く上達したい、もっと速く走れるようになりたいと思うのではないでしょうか。

「レースに参加して、周りの早さに圧倒された」という話もよく耳にします。

今回は負荷をかけた練習と休息をバランスよく組み合わせた練習方法をご紹介します。


1.心肺機能向上トレーニングとは

心肺機能向上トレーニングは、文字通り心肺機能の向上を目的に行われる練習です。

心肺機能が高まると、運動中の心拍が上がりにくくなり、また、一旦上がった心拍がすぐに戻るようになり、筋肉がエネルギーを生み出すのに最適な状態を長くキープできるということになります。

心肺機能向上トレーニングでは、負荷をかけた運動と、休息を交互に繰り返してトレーニングを行います。

実際の道路でトレーニングを行うことが難しい場合は、ローラー台などを利用すると良いでしょう。

また、ジムなどにあるエアロバイクを利用する場合、パワー表示等、機種によって表示内容が異なり、迷う場合もあると思いますが、その際は心拍数を目安に負荷を調整すると分かりやすいでしょう。


2.最大心拍、安静時心拍、心拍数域を確認する

練習に最適な心拍数を知るためには、心拍計を使い、最大心拍と安静時心拍を確認する必要があります。


1.最大心拍とは

最大心拍とは、その人の心拍の限界値、つまり心臓が耐えられるMAXの心拍数のことを言います。

実際に限界値まで心拍を上げることは難しいため、一般的には計算式が用いられています。

よく紹介されている簡易計算式によると、一般の大人では、最大心拍=220-年齢、アスリートの方だと、210-年齢といわれています。


2.安静時心拍とは

安静時心拍は、起床してすぐの時点で測った心拍を指します。


3.心拍可動域とは

心拍可動域とは 、最大心拍と安静時心拍を使って、心拍可動域、つまりその人の心拍の変動の幅を求めます。

心拍可動域は、(最大心拍-安静心拍)で計算した数値になります。


3.心拍数を活用したインターバルトレーニング

この計算式を、用いてロードバイクのインターバルトレーニングに挑戦してみましょう。

インターバルトレーニングでは、心拍可動域×80%+安静時心拍という計算式を用いて、自分に適した目標心拍数を求めます。

1.5分間全力でペダリング。

この時、ペダルを踏み始めて2分ぐらいで目標心拍以上になる負荷でペダルをこぎます。

ケイデンスは100から110回転になるよう回転数を意識してください。

2.3分間休息。(休息中もペダルは軽くこぎ続けます)

1、2を5回繰り返して1セットとなります。

さらに、負荷を1段高くし、1分ぐらいで目標心拍以上になる負荷をかけてペダルをこぐと、心肺だけでなく、筋肉の強化トレーニングになります。

この時は、ケイデンスが90から100回転になるよう、意識してペダルを回してください。

8分間の練習を5回繰り返すだけというシンプルな練習ですが、インターバルトレーニングで肺と心臓を鍛えることで、心臓はより多くの血液を送り出し、肺はより多くの酸素を取り込むことが出来るようになります。

心肺機能を強化する事で、筋肉が十二分に力を発揮してくれる環境が整います。

ロードバイクのペダリングスキルの上達だけでなく、マラソンなどのトレーニングにも、この心拍を意識したインターバルトレーニングが重要な役割を果たします。

(ただし、心臓に負荷をかけ、血管の膨張、収縮を意図的に起こすトレーニングなので、心臓疾患をお持ちの方や、高血圧の方は必ず、医師にご相談のうえ、無理のない範囲でトレーニングを行ってください。)