ロードバイクに乗るには最高のシーズンがやってきました。暑くもなく寒くもない、しかも陽が長くなって、トレーニングもしやすいです。

最近、ロードバイクを始めたあなたも、「ロングライドをしてみたい」なんて思っているんじゃないでしょうか。


最初は辛い

最初は30kmくらいの距離から始めて次は50km。「50km走ったよ」って友達に言うと「えっ?自転車で50kmも走ったの!」なんて、驚いてもらって、なんだか自分が上達した人になった気がして楽しくなりますよね。

次は80km、そしてついには100km走破!と、いきたいところですが、やっぱり、そこには壁があって、なかなか100km走破とはいかないんですよね。特に、上達した一生懸命走る人ほど100km走破が難しかったりして・・・

「上達した先輩自転車乗りのみなさんは、いとも簡単に100kmを越える距離を走っているのにどうして自分には走れないんだろう・・・・」

私も昔はそうでした。100km走るのが目標でしたね。

がんばって走っても走り切れないんで「やっぱり自分には無理なのかなぁ・・・」なんて弱気になったりしていました。


とりあえず100km

ロードバイクは100km走れるようになって更に楽しい世界が広がるのです。

100km走る前に諦めるのはもったいない!どうすれば、先輩自転車乗りのみなさんのように100km走ってピンピンしていられるのでしょうか?

実は最近自転車を始めたような人でも長く走るための法則さえ分かっていれば、そんなにトレーニングをしていなくても割と簡単に100km走ってもピンピンしていられるのです。


長く走るための法則

それでは長く走るための法則とは何か?名付けて「ウサギとカメの法則」です。

ウサギは速く走れますが休憩が多く、カメは速度は遅いが休まずに走る。結果的にカメはウサギに勝利する。

まさにこれこそがロングライドのコツなのです。

ご存じだとは思いますが運動には有酸素運動と無酸素運動とがあります。言っておきますが無酸素運動と言っても息をしていない運動ではありませんよ。

有酸素運動とは主に脂肪を燃焼する事でエネルギーを得て運動する事です。乳酸が発生しても呼吸で得られる酸素によって代謝出来る範囲の運動です。

パワーはありませんが持久力があります。無酸素運動とは主にグリコーゲン(糖質)を燃焼する事でエネルギーを得て運動する事です。

乳酸は、呼吸によって得られる酸素によって代謝出来る範囲を超えているので蓄積します。乳酸が蓄積すると筋肉は収縮出来なくなり走れなくなります。

パワーはありますが持続力はありません。カメは有酸素運動、ウサギは無酸素運動を表します。

「そのくらいの事、分かってますよ」っていう声が聞こえてきそうですね。しかしですね、ひとたび自転車に乗ると今のペースは有酸素運動か、無酸素運動か分かりますか?

もちろん、超スローペースなら有酸素運動ですし、スプリントするみたいに思いっきり漕げば無酸素運動です。

でも、その中間くらいで、そこそこのスピードで走っている時は有酸素運動?それとも無酸素運動?どこまでが有酸素運動でどこから無酸素運動なのか?

これは初心者の人にはかなり難しい感覚ではないでしょうか?一生懸命漕ぐ人ほど100kmを走れないというのはそこに原因があるのです。

自分では有酸素運動のつもりでも、所々で無酸素運動になってる。ちょっとだけスピードを出しただけだから大丈夫だろうと思っていても乳酸は蓄積されますから、結局最後には疲れて走れなくなってしまうのです。

乳酸は蓄積すると書きましたが乳酸は代謝するのに、すごーく時間がかかるからなのです。

例えば50mを10秒で全力疾走したとします。もちろん無酸素運動ですよね。乳酸が発生します。

では休憩して、また50mを全力疾走するのにどのくらいの時間かかりますか?1分ですか?2分?それとも3分?50m全力で走って休憩してまた全力疾走で50m走ってを繰り返して
1000m走るとどれだけ疲れるでしょう。

それならば、50mを30秒の有酸素運動で休まず1000m走ったほうが結局のところ速く走れますし、体へのダメージも少ないのです。

50mを10秒で走る、たった10秒の無酸素運動によって発生した乳酸を代謝するにはそれこそ膨大な時間を要するのです。

100kmを越えるようなロングライドを成功させるにはいかに乳酸を蓄積しないで走るか、という事になりそうです。


有酸素運動の境界線

実は有酸素運動と無酸素運動の境界の事をAT値といいます。心拍を用いて有酸素運動と無酸素運動の境を表します。

理論的にはAT値以下、つまり、有酸素運動の範囲であればずーっと走り続ける事が出来ます。

AT値を超えないで走る続ける事がロングライドの成功のカギと言えそうです。初心者の人がAT値を超えないように走るためにはこれはもう心拍計のお世話になるしかありませんね。

心拍計の数字を見ながら、愚直にAT値を超えないように走ればいいのです。ではAT値の求め方ですが本来なら血中の乳酸値を計測して測定するのがいいのですがそれはなかなか難しいので最初は計算によって大まかに算出しておけばいいと思います。

AT値といってもピンポイントで存在するというよりはゾーンといった感じでいいと思います。AT値はトレーニングを積めば上がりますし体調が悪ければ下がったりもします。

AT値=最大心拍数の80%付近(初心者は75%くらいでいいかな)

最大心拍数とはもうこれ以上がんばれない時の心拍数です。これも誤差は多いですが公式によって求められます。

最大心拍数=220-年齢

これらの公式を使ってロングライドのペースを計算すると40歳の初心者の方がロングライドする心拍は220-40歳=180(これが最大心拍数になりますね)

初心者なのでAT値を最大心拍数の75%付近と仮定すると180×0.75=135となります。135拍を超えないように愚直に走れば乳酸を蓄積すること無く走る事が出来る計算になります。