初めてロードバイクに乗ったときは、サドルの高さと、ハンドルの低さに驚いた方も多いのではないでしょうか。
お尻や腰の痛みとともに悩まされるのが首の痛み。今回は楽に長くこげる姿勢について考えてみましょう。
1.首に負担をかけない姿勢とは
ロードバイクを購入する際、股下の高さを測ったり、腕の長さを測ったりして、自分の体格に合ったポジションに調整してもらったはずなのに、いざ乗ってみるとあちこち痛くなる・・・という話はよく聞きます。
ベテランライダーに聞くと、「乗って慣れるしかない」と、あっさり一蹴されてしまいそうな悩みですが、初心者ライダーにとっては深刻な悩みです。
ライディング技術の上達の前に、痛みと戦わなければならず、何となくロードバイクから気持ちが遠ざかってしまう・・・そんなことがないように、正しいライディング姿勢を身につけましょう。
もちろん、慣れの問題もありますが、何度乗っても痛みが出る場合は、ライディング時に特定の箇所に負荷がかかりすぎている可能性があります。
特に首痛が尾を引くケースが良く見られますが、これは、正しい前傾姿勢が出来ていないために痛みが発生している可能性があります。
前傾姿勢が崩れると、頚椎周辺にある神経が圧迫されやすく、首から肩、背中にかけて痛みを抱えながらライドをする事になります。
では、首が痛くならず、身体に負担をかけない姿勢とはどのような姿勢なのでしょうか。
良い姿勢というと、背筋をピンと伸ばした状態をイメージしがちですが、実はロードバイクに乗る際は、背中を丸めた状態が良い姿勢とされています。
とはいえ、単に猫背にすれば良いかというと、そうではありません。
鍵を握るのは骨盤と肩甲骨です。
2.体幹を意識する
骨盤を立てた状態でサドルにお尻を乗せろといわれますが、判りにくいですね。
みぞおちの辺りにパンチを受けたイメージで腹筋に力を入れると、自然と骨盤が立ちます。
その状態でサドルに座るのが理想的です。
また、それと同時に肩甲骨を弛緩させて、左右に開きます。
お辞儀をしたときに腕の力を抜いてだらんと下に下げると、肩甲骨が左右に広がる感覚がつかめると思います。
腹筋に力を入れ、骨盤を立て、肩甲骨を弛緩させた状態で自然にハンドルに手を置きます。
これが理想的なライディングの姿勢です。
このとき、指先に力を入れてブラケットを握ってしまうと、腕から肩周りの筋肉が緊張し、首痛を引き起こす原因を作ってしまいます。
ハンドルを強く握り、手や腕に体重を乗せるのではなく、体幹の筋肉で上体を支えるよう意識してみてください。
はじめのうちは、難しく感じられるかもしれませんが、体幹が鍛えられ、正しいフォームが身につくと、インナーマッスルだけで前傾姿勢を保てるようになります。
3.目線も大切
目線の位置も重要です。
目線が高くなりすぎると、顎があがり、空気抵抗を受けやすくなってしまうため、走行スピードが落ちてしまいます。
また、目線が下がりすぎると顎が下がり、正しい前傾姿勢が崩れるため、肺が圧迫されて呼吸が乱れ、疲れてしまいます。
骨盤を起こし、肩甲骨を開いた上体でサドルにまたがり、少し頭を起こして無理のない姿勢をとった上で、顎を引き、少し上目遣いで目線を20から30m前におくように意識してみましょう。
首から肩甲骨にかけてリラックスさせておくことで、首痛を防ぐことができるだけでなく、集団走行で、他の人とぶつかった時にも、肩まわりで衝撃を吸収する事ができ、ハンドルのふらつきを防ぐことができます。
正しい前傾姿勢を身体で覚えることで、首痛防止のみならず、ライディング技術の上達も期待ができそうです。