当たり前の話ですが、ロードバイクはペダルを踏んでタイヤを回すことで前に進む乗り物です。
素材の違いによる重さや剛性の差はあったとしても、エリート選手でも、初心者でも同じように筋肉と関節を使ってペダルを踏んでいます。
スピードを生み出す脚力に注目し、まずは、基本となる筋肉の使い方を見ていきましょう。
1.ペダリングに必要な筋肉とは
ペダリングに関連する筋肉はたくさんありますが、もっとも重要なのは大腿四頭筋(太ももの表側の筋肉)と、ハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)です。
この大きな筋肉を曲げたり伸ばしたりしながら、ペダルに力を伝え、大きな推進力を生み出しているため、この2つの筋肉が脚力を左右するといっても過言ではありません。
また、ペダルを上下に動かす脚力は、筋肉だけでなく膝関節と股関節が、ペダリング技術の上達では重要な役割を果たしています。
階段の昇り降りなど、日常生活では膝の屈伸を使うことが多く、これに連動して大腿四頭筋が動きます。
普段使い慣れている、身体の前面の筋肉は動かしやすく、ロードバイク初心者では、膝関節と大腿四頭筋を使ったペダリングが多く見られます。
無意識に大腿四頭筋に頼ったペダリングをしてしまいますが、実はこのこぎ方では、ふくらはぎに大きな負荷がかかるため、パワーが持続しないのです。
もし、ふくらはぎが発達し、太くなっている場合は、大腿四頭筋メインのペダリングをしている可能性があります。
プロのロードレーサーの場合、長時間の走行に必要な脚力を発揮するため、ハムストリングスを使ったペダリングを行っています。
そのため、ふくらはぎが太く発達している選手は殆んどいません。
そこで、普段はあまり意識をしない、太ももの裏側の筋肉、ハムストリングスを使ってペダリングをしてみましょう。
2.ハムストリングスを鍛えるトレーニング
ハムストリングスを動かすためには、股関節を屈伸させることが大切です。
みぞおちに力を入れ、股関節を引き上げるように意識してペダルを回すことで、自然とハムストリングスを使ったペダリングが出来るようになります。
ペダリングで使うハムストリングスをトレーニングで鍛えたい場合は、スクワットが有効です。
肩幅に足を開き、手を前に伸ばし、腰をゆっくりと下ろしていきます。
太ももが地面と水平になったあたりで止めて、そこからゆっくりと身体を戻していきます。
スクワットは姿勢が崩れてしまうと効果が半減してしまいますので、腰を下ろすとき、膝がつま先よりも前に出ないよう、注意してください。
また、反動をつけて屈伸してしまうと、十分な負荷がかかりません。
反動を殺すため、腰を下ろしたところで一瞬動きを止め、一呼吸おきましょう。
まずは、20回を1セットとして2セット行うところからスタートしてください。脚力がついてきたところでセット数を増やしていくといいでしょう。
またスピードを落とすことで、負荷を上げることもできます。慣れてきた際には、スピードと回数に変化をつけてトレーニングをしてみてください。
ロードバイクに必要な脚力の鍵は、ハムストリングスが握っています。
普段の生活の中ではあまり使うことのない筋肉ですが、階段の昇り降りの際など、膝で上るのではなく、身体を少し前傾させ、股関節を動かして昇るなど、太ももの裏側を意識する癖をつけてみると良いかもしれません。
日常のちょっとした動作の中でも、使う筋肉を意識する事で、ペダリング技術の上達が期待できるのです。
ぜひ、今日からハムストリングスを意識する癖をつけてみてください。