ロードバイクのホイールの役割は「人間の小さな出力を出来る限りロスせず地面に伝えること」と「きちんと止まれる」ことになります。ホイール選びの際に求めることは、3つあります。


ホイール選びのポイント

・どんな状況でも出来る限り真円に近いホイール
・ハブまわりの抵抗が少ない
・いつでもきちんと止まれるホイール

ホイール選びで特に大事なことは「どんな状況でも真円に近い」ホイールです。

理由は、どれだけパワーがある人でも「グニャグニャしたホイール」を使っていたら、パワーを入力してもホイールが歪んでしまい、ロードバイクが前に進まないからです。

「よく進むホイール」というのはどんな状況でも真円に近いホイールのことを指しています。ロードバイクのホイールは丸いですが、本当のまん丸(真円)状態をどんなときでも維持できるホイールは「ほぼ」ありません。

そこがまたホイール選びの難しいところです。

なぜかというと、ロードバイクのホイールは「リム」「ハブ」「スポーク」の組み合わせでできているからです。

できるだけ軽く真円を保つために考えぬかれた形ですが、スポーク部分の撓み(たわみ)がどうしても生じるのでホイールは歪みます。

この歪みができるだけ少ないホイールが、よく転がるホイールになります。

車の場合、「ホイールに重りをつけてホイールバランスを取る」ことで真円に近づけています。ロードバイクホイールも重りをつけて「ホイールバランス」を取るサービスが一部ではじまっています。

ただ、重要なのはホイールが元々もっている「真円率の高さ」になります。これを実現するには、下記の3点が必要になります。


1.スポークをガチガチに張る

スポークは張る力を調整できます。柔らかくすることも硬くすることもできるので、乗り味を変えられます。

スポークを張っている力が強ければ強いほど、強い力がホイールに加わっても変形しにくい状態になります。

ただ、ガチガチのスポークはちょっとしたギャップでも跳ねたり、リムに大きな力が加わるのでリムの剛性が低いと変形することもあります。

スポーク自体が切れやすくなる、というデメリットもありますね。


2.スポーク本数を増やす

スポーク本数が多ければ1本あたりのスポークの支える力を分散可能。なのでスポーク1本1本をガチガチに張らなくても真円率を高めることができます。

デメリットは重さで、スポーク1本あたり6グラム程度ですが、ホイールに32本スポークを使う場合と20本の場合では、20本の方が72グラム軽くなります。

後輪が870グラムのホイールと、942グラムのホイールとでは、結構印象が変わりますよね。
また、ちょっと面倒な話ですが空気抵抗もスポーク数が増えると増すのもデメリットとなります。


3.スポーク長さを短くする

リムの高さが高い「ディープリム」などはスポークの長さが短くなります。スポークの長さが短くなればなるほどスポーク自体の変形量が少なくなります。

例えば同じ太さで同じ材質の木の棒があったとして、長い方が簡単にしなりますよね。

スポークを短くできれば、スポーク本数を少なくしてもスポーク変形を抑えることができるのでメリットがあります。

デメリットはリムの高さが高いものはリム自体が重くなることで、リムはホイールの外周部なので、重いと走り自体が重くなります。

どんな状況でも真円に近い状態を保つロードバイクホイールが一つの理想だと考えています。理想的なロードバイクホイールは、リムの高さが高く軽い、スポーク本数が少ない、どんな状況でもスポークテンションが高い、適度な振動吸収性があることです。

結果として、カーボンチューブラーが一番最適解に近いのです。

でも私は、多少性能を犠牲にしても見た目も重視しますね。かっこいいホイールじゃないとモチベーションが保てないでしょう。