風を切って高速で下っていく爽快感…ロードバイクの最大の魅力ではないでしょうか。
しかし何もせず下るよりは、ポイントを押さえた方がより高速に効率よく下ることができます。
下りのコツをつかんで、練習メニューに加えてみてください。
1. 安全に下るために気をつけたい事
時には時速50〜60kmもの速度が出るロードバイクの下り、まずは何より安全に気をつけて走行しましょう。
自転車での死亡事故は下りでの転倒や落車で起きる事が多いので、万が一のためにヘルメットやグローブを装着し、スピードを出しすぎないようにしてください。
そしてスピードだけでなく、前方の路面状態にも細心の注意を払いましょう。
ロードバイクは車体が軽いですから、少しの小石でも転倒の危険性があります。
道の端、特に峠などは砂利や砂がたまっていてスリップしやすいですので、あまり端に寄りすぎないようにしましょう。
また標高の高い峠は気温差があり、下りでは風が強く当たるためかなり冷えますので、薄手の上着を持参し必要に応じて体温調節するようにしてください。
2. 下りの基本フォーム
下りの時のハンドルの位置は、ブレーキをかけやしく効きやすくするように下ハンドルを握ります。
またどうしても前輪に荷重がかかりますので、前転と後輪のスリップを避けるために、後ろに荷重をかけることを心がけましょう。
こうすることで全体の重心が下がり、安定にもつながります。
前傾姿勢をとると空気抵抗が減り速く走れますが、峠の下はその影響より大きくなります。減速の際はブレーキの他に上体を起こすようにすると、ブレーキを使わず減速することができます。
また高速で駆け抜けるため、上り以上にカーブでのコーナリングを意識する必要があります。
その際必要になってくるのが、先を読む、ライン取り、バイクコントロールのそれぞれの能力。
先を読む能力というのは、先の勾配や路面状況、その先に差し掛かるコーナーのR(角度)を予想する力。
ライン取りとは、コーナーへの適切な進入速度と進入位置を見つける能力。
下り始めたら位置調整は難しくなりますので、コーナー進入時の速度や位置、角度がとても重要になってきます。
そしてバイクコントロール。これはライン取りで決めた進入位置を実行する力のこと。
具体的にはブレーキングや体重移動ですが、タイヤのグリップの限界を感じ取るなどの力も大事。
スリップの可能性があれば、角度を変えるなど調整が必要になってきますので、臨機応変に対応できるようタイヤの状態にも気を配りましょう。
3. コーナリングの方法
自転車でのコーナリングの基本は、リーンウィズと呼ばれる方法。
リーンウィズは、コーナーリング中のバイクの傾きに対し、体の傾きを同じようにそろえるフォーム。
この際コーナーを回る時に外側にある脚に体重をかけ、頭を水平に保つようにしましょう。
目線を先に、状況を判断しながら走る事も忘れないように。
適切なコーナリングは高速でスムーズに下りを走るためにも、事故を起こさないためにもとても重要です。
初めのうちは倒れる角度に不安を感じるかもしれませんが、慣れてくればスピードに乗りながら気持よくコーナリングができるようになりますので、練習メニューを組んでいろんなカーブで練習してマスターしてください。