ロードバイクに乗っていて仲間と練習している時や、レースに出場しているときにコーナリングで膨らんでしまったり、怖くてバイクを倒せない人は多いではないでしょうか。
今回、コーナリングの基本動作を確認してその動作理由やコーナリングに働く力を分析して荷重コントロールの重要性を紹介します。そうすればコーナリングも上達して今までより速くコーナリングできるでしょう。
まず、コーナリングの基本手順です。1.状況確認、2.ラインを決める、3.シフティングとブレーキング、4.コーナー入り口、5.コーナリング途中の変化に対応。
普段何気なくコーナリングしていても、こんなに瞬時に判断しています。上達していない初心者はもちろん、上級者も再度確認しましょう。
練習でもレースでも最も優先すべきことは”安全に曲がること”です。より速くまがることはそのあとです。
コーナリングのうまい人と苦手な人の違いは意外とコーナリングそのものよりもコーナーに入る前の違いが大きいです。うまい人は一見無謀に見えても自分なりの安全マージンをとっていて無茶なツッコミや無謀なスピードも出していません。
安全かつ速く走るには原則をしっかりすることがカギになります。自分で出したスピードを自分の意思でコントロールできないのは非常にまずいことです。しっかりとコーナリングの練習をしましょう。
1.状況確認
コーナーを速く曲がるには見えない先のことをある程度予測できなければなりません。優先事項は安全でその次に速さです。
あらゆることを想定し、まず見える範囲で単純なコーナーか複合コーナーか予測します。ありえないことでも最悪の状況を想定していれば、とっさの対応もしやすくなるでしょう。
コーナーの手前ではカーブミラーや路面状況をみたり、耳で音を聞いたり五感を働かせて可能な限り情報を得ましょう。今まで登って来た道から下りの路面状況やコーナーの傾向はある程度予測できます。
2.ラインを決める
一般道を走るときは対向車がこないとはおもわずに、道なりに左側を走るようにしましょう。しっかりと対向車や後方を確認できるならばセンターラインを越えない範囲でミドル・イン・ミドル(左コーナー)、アウト・ミドル・アウト(右コーナー)のラインをとれるでしょう。
クローズドサーキットで速く曲がるならばアウト・イン・アウトが理想的です。ただし集団内で走っているときはコーナーに入ったラインをキープして曲がります。
3.シフティングとブレーキング
状況確認とラインを決めたら、そのラインが出せるスピードまで減速します。減速は手前の直線部分で終わらせコーナリング中はブレーキングをしないのが理想です。
最初は怖くないスピードまで落とすことが大事です。ブレーキングは荷重が前にいきすぎないように少し腰を引き前ブレーキを使って減速します。
平坦でのコーナーは立ち上がりを考えてブレーキング前にギアを1〜2枚軽くしておきましょう。
4.コーナー入り口
コーナー手前で少し腰を引いて後ろ荷重になっているので、前輪への荷重を増やすために元の位置へ重心を戻しましょう。そうしないと、バイクを傾けたときに前後輪のグリップを失いやすくなります。
コーナリングのフォームはカラダとロードバイクの傾きが一直線になるリーンウィズが基本です。ロードバイクを傾けた状態で前輪が傾けた方向へ切れ込むのを抑えるために外脚荷重をします。
5.コーナリング途中の変化
コーナリング中は視界が悪くとっさの対応をとらなければならないことも多いです。直線だったら進路変更は重心移動でできが、コーナリングはロードバイクが傾いているので急激な進路変更は難しく、重心移動だけでは対応できないので前ブレーキをいかに使うかが肝です。
前ブレーキの制動力は圧倒的に強く、上達していない初心者は転倒を恐れてリヤブレーキを使いがちです。むしろリヤブレーキは効きが弱いのでとっさのときにギュッと握ってしまいスリップの恐れがあります。
リヤは微妙なコントロールのための当て効きに使うようにしましょう。また、前ブレーキはより短時間で減速できるので、コーナー途中でバイクを起こして一気に減速し、再度バンクさせてコーナーを抜けることもでき、前ブレーキの使いこなしはコーナー途中でも重要なカギを握ります。