ロードバイクはペダルを回し続ける脚力に注目しがちですが、脚力だけでなく、身体を安定させる体幹も重要です。

ウェイトトレーニングを有効に活用し、早くなるための身体作りを考えてみましょう。


1.ロードバイクのペダリングに必要は筋肉とは

ロードバイクのペダリングに必要な筋肉というと、大腿四頭筋やハムストリングスなど、太腿の筋肉を思い浮かべる方も多いと思いますが、実はそれだけではありません。

脚を持ち上げるためには腸腰筋という股関節周りの筋肉が使われ、脚を振り下ろすためには、臀筋群と呼ばれるお尻の筋肉が重要な役目を果たしています。


2.腸腰筋を鍛える

皆さんは揺れる電車の中でまっすぐに立つことができるでしょうか。

不安定な電車の中でも体幹を安定させて、まっすぐ立っていられるのは腸腰筋が身体を支えているおかげなのです。

腸腰筋が足元からの衝撃を吸収するとともに、股関節を伸縮させ、ペダルを回す推進力の要となっているのです。

ペダリング技術の上達のためには、脚の付け根にある腸腰筋の強化が重要です。

この腸腰筋と呼ばれる股関節の周囲にある筋肉を鍛えるためには『足上げ腹筋』が効果的です。

通常の腹筋は仰向けに寝た状態から、上半身を起こしていくものですが、足上げ腹筋は仰向けに寝た状態から下半身を起こしていきます。

仰向けになり両足を伸ばし、天井に向かって足を持ち上げます。45度ぐらいまで足が上がったところでいったん止めて、ゆっくりと元の位置に戻していきます。

この時、足を完全に下ろしきってしまうと強度が下がり、効果が半減してしまいます。踵が床から10センチ程度浮いた状態で、足を止めるようにしましょう。

また、足を上げる際は、足に力を入れるのではなく、腸腰筋を縮めるような意識で運動を行うことが大切です。

また、足を垂直に上げすぎてしまうと、腸腰筋以外の筋肉に力が入ってしまい、効果が半減するため、注意が必要です。

腰が床から浮いてしまう方の場合、腰に負担がかかり腰痛を引き起こす場合もありますので、ご注意ください。

普段からお尻が後ろに突き出ている反り腰タイプの方は、手の平を腰と床の隙間に入れたり、タオルを丸めて腰に当てるなど、腰に負担がかかりすぎないよう、注意してください。

まずは10回を1セットとし、2~3セット行うことからスタートし、慣れてきたら、30回を2~3セットと回数を増やしていくと良いでしょう。

足首におもりをつけて負荷を増やしていくことで、効果的なウェイトトレーニングが行えます。


3.お尻の筋肉を鍛える

ペダルを踏み込むためにはお尻の筋肉を鍛えることも大切です。

ここでは効果的にお尻の筋肉を鍛える、ヒップリフトをご紹介しましょう。

ヒップリフトは仰向けに寝て膝を立て、文字通りお尻を上げ下げする運動です。

まずは、仰向けになり、手は身体の両脇に置くだけで力は入れません。

膝を45度ぐらいに立て、お尻を持ち上げていきます。

このとき、胸を持ち上げたり、手に力を入れて身体を動かす事のないよう、お尻に意識を集中させてください。

膝、おへそ、胸が一直線になる位置まで持ち上げたら、2~3秒静止して、元の体勢に戻ります。

このとき、お尻に手を添えて動かしてみると、筋肉の動きを意識しやすくなります。

元の体勢に戻る際は、お尻を床につけず、ぎりぎりの所で寸止めするようにしてください。

一旦お尻を床についてしまうと、負荷が緩み、効果的な筋力トレーニングが行えなくなります。

まずは回数よりも姿勢を意識してトレーニングを行ってください。

10~15回を1セットとして3セット繰り返せるように頑張りましょう。

慣れてきたら同じ運動を片足だけで行う、シングルレッグのヒップリフトにも挑戦してみてください。

この時、足上げ腹筋と同じように、足首におもりをつけるなど工夫をする事で、効果的なウェイトトレーニングが行えます。

足上げ腹筋も、ヒップリフトも使っている筋肉を意識してトレーニングする事が重要です。

無理をして回数を増やすよりも、ひとつひとつの動作を丁寧に行い、正しい姿勢を身体に覚え込ませることが大切です。

器具の要らないペダリング上達トレーニングなので、ぜひ皆さんも取り組んでみてください。