仕事をしながらロードバイクを楽しんでいるホビーライダーの方の多くは、平日の早朝や週末など、仕事や家事、その他の活動を何とか調整しながら、トレーニングの時間を捻出しているのではないでしょうか。
限られた時間の中で、どうすれば効率的なトレーニングを行えるか、一緒に考えてみましょう。
1.見出し
まず大事なことは、何のためのトレーニングなのか、目的を見失わないことです。というのも、残念ながら闇雲に時間と労力をかけてトレーニングを行ったとしても、必ずしも早く走れるようにはならないからです。
最近では、ロードバイクでも科学的データをしたトレーニングが注目されており、心拍計やパワーメーターなどを利用しながら練習をしている人も多いと思います。
もちろん、心拍やパワー、ケイデンスを意識することも大切ですが、そもそも正しい姿勢で自転車に乗れていないと、ペダリング効率も悪くなり、実走で思うように加速ができなくなってしまいます。
ロードバイクに慣れてきて、アベレージの時速が30キロを超えてきたが、40キロ~50キロの人には追いつけない、など伸び悩んでいる方は、自分のライディングの姿勢を点検してみては如何でしょうか?
2.正しいライディング姿勢とは
皆さんは自分の乗り方、姿勢をチェックしたことはあるでしょうか?
ペダリング解析会などに参加をされた方は、重心の位置やペダリングの癖などを指摘された経験もあるかもしれませんが、自分がどの様な姿勢で自転車に乗っているか、よく判らないという方が殆んどではないでしょうか。
実走しながらフォームを修正するのは、なかなか難しいため、姿勢をチェックすする際は、ローラー台と大きな鏡を用意して、室内でトレーニングを行うことをお勧めします。
縦方向にまっすぐな線を引いた鏡を自転車の正面に置き、ローラー台に乗ります。できれば固定ローラーではなく、3本ローラーなど、実走に近い不安定な状態でペダルを漕ぐのが理想的です。
その際、鏡の中央線が身体の真ん中に来るようにバランスを取れるかどうか、また中央線に対して体の左右が均等になっているかどうかチェックしてみましょう。
左右どちらかに身体が傾いている場合、体幹が弱く、安定していない可能性があります。
また、横の姿を鏡で確認する事も有効です。上半身を起こし気味に乗る癖がある場合は、重心が高くなりがちで、身体が左右にぶれて、走行が不安定になる可能性があります。
そうすると、ペダルを踏み込んでも力が逃げてしまい、スピードが上がらないという結果になってしまいます。
体幹で身体を支えきれないと、前傾姿勢が崩れてしまい、肩から腕で重心を支えることになり、前タイヤに加重がかかりすぎてしまいます。
そうすると、せっかくペダリングで踏み込んだとしても、後輪に力が伝わらず、空転してしまうことになります。
また下ハンドルのブレーキレバー寄りを握る癖がある場合も、身体を起こし気味になっている可能性があります。この場合、下ハンドルのエンド寄りを軽く握り、肩の力を抜くだけでも重心が下がり安定します。
肩の力が抜けていたとしても、お腹が緩んでいると、太腿の動きを妨げてしまう可能性があります。下腹部に力を入れ、体幹を安定させるとお腹と太腿の間に空間ができ、腸腰筋を使って十分に脚を引き上げられるようになります。
引き足を意識してペダリングが出来るようになると、下死点までペダルを踏み込まなくなり、無駄にペダルを踏み込むことを回避出来るようにもなります。
3.短時間で効率的なトレーニングを行うためには
限られた時間を有効に使ってトレーニングをするためには、単に走行距離を稼いだり、心拍数やパワー、ケイデンスを意識するだけではなく、まずは基本となる姿勢を見直してみることで、短時間に上達できる効果的な練習ができるようになります。
個人で姿勢をチェックするのが難しい場合は、バイクショップなどで実施しているペダリング解析やトレーニング会などに参加をしてプロからアドバイスをもらうのも良いでしょう。
正しい姿勢を身体に覚えさせ、実走練習に活かすことで、無駄の無い効率的に上達できるトレーニングを目指しましょう。