ロードバイクにおいて、タイムトライアルに特化した2つのトレーニングを紹介します。これらは空気抵抗への耐久力、乳酸塩の値を増加させることに集中しています。
これらは長い距離のタイムトライアルで好成績を残すために必要な土台となる要素です。こういったワークアウトを、上達した選手のメニューに加えることでステージレースでの単独アタック向け、タイムトライアル用のトレーニングが増えることになります。
レースと同じペースでのトレーニング
ツール・ド・フランスなど世界的ロードバイクレースのタイムトライアルは平坦な52kmのコースで開催されるが、こういったコース設定で上位に食い込むには、平均時速47、48kmを出して1時間を少しだけ超えるタイムで走らないといけない。
もし、コンディションが良ければ、平均時速50km近くで選手たちは走ります。大会と同じペースでトレーニングを行う際に問題となるのは、オフシーズンにこのようなハイペースを維持するトレーニングを行わなければならないことだが、全ての距離でスピードを保つ必要はありません。
このトレーニングにおいては現在の自分の最大維持出力(タイムトライアルのペース)で長い時間を走るか、もっと短い距離でゴールする時のペースで走るという2つの選択肢があります。
両方のトレーニングとも有益である。ただ、レースペースで短い距離を走る方はとても効果的な一方で、テクニックの部分では活用できません。
この典型的なワークアウトは、5、6分間トレーニングを行った後、4分間の体力を回復させるインターバル期間を挟んで再び5、6分走らせます。
このワークアウトが有効なのは、スピードレースに備える助けとなるからです。より長い距離でスピードを維持するためのパワーは、エネルギーシステムのトレーニングと一緒に強化すべきです。
この特別なトレーニングはペースの速いタイムトライアルを走るためのケイデンス、ギア、制御部品の使い方に慣れる助けとなる。上達したプロ選手は時に冬場のタイムトライアルのトレーニングではオートバイの後ろで走るトレーニングを実施します。
これによってまだ自分自身ではシーズンと同じ力を出せないかもしれない時期に、長い距離でレースのペースを維持して走ることができます。
高負荷のトレーニング
高い負荷をかけるタイムトライアルのトレーニングを行うことは、選手たちが実際のタイムトライアルで大きなパワーを出して走る際の助けとなる実用的なものです。プロを含めた多くの自転車選手は、タイムトライアルにおける空力的なポジションについて、トレーニング全体としてはわずかな時間しか費やしていません。
自分の空力ポジションについてどんなに楽観的な選手であろうとも、状況に合わせて適応させていく必要があります。重要なことは、タイムトライアル全体を通して、自分が気分良く走れるポジションをつかむことです。
私がタイムトライアルや登り区間において、選手たちが最適な空力ポジションをつかむのを助けるために見つけた最適な方法の1つは、(5分から8分のインターバルを挟み)10分から20分にかけて走るトレーニングだ。
2%から4%の勾配は、トップギアで走らずに登っていく中で十分な抵抗となる。そしてスピードを維持して走ることに集中しないといけない。
エアロバイクに乗って平坦なコースを走ることで、座ってロードバイクを漕いでいる中でも簡単に加速し、高速で走ることができます。また勾配が増すことで、よい十分な抵抗が得られるが、それでは最適な空力ポジションを維持して走ることは難しい。
そのため、2%から3%の勾配で走らせ、大きなパワーを出して走るのに全ての面で最適なポジション(頭を低く、背中を並行に、腕を正しい位置に保つ)を維持させるのに集中すべきです。こういった事は、レースと同じペースで行っても効果的ではないが、その選手の現状における最大維持出力で実施すべきです。