初めてロードバイクでのロングライドに出かける時は心配がつきものです。 スピードがゆっくりなので、ロングライドではついつい補給食を摂るのを忘れがちです。
特にエネルギー補給については初めての方にとってもベテランの方にとっても補給のタイミングが難しいものです。
「大体1時間にオニギリ1個くらいかな・・・?」、「30kmに一回は休憩したほうがいいのかな・・・?」等、おおよその目安や経験則でエネルギーマネジメントを行っている方も多いかと思います。
今回はロードバイクにおけるロングライドでの補給食の摂り方について見ていきましょう。
1.ロングライドの補給は早めに!
今回の想定は距離100Kmを平均時速25kmで走った際のシミュレーションです。
距離と走行速度が分かると、必要なパワーと所要時間が求められます。これらから必要なエネルギーが分かるのです。
ロングライドの場合、お腹が減ってから食べたのでは手遅れです。計画を練ってどこでエネルギー補給するのが適切なのかを把握しておきましょう。
ベテランの選手であればどのくらい食べればよいか経験から分かるかもしれませんが、慣れないと途中でエネルギー切れになり、べダルが回らなくなります。
私もエネルギー切れの経験がありますが、その時は時速15km出すのがやっとでした。
2.実際にカロリー計算してみよう
そこで、同じくエネルギーの単位であるカロリー(cal)に換算してみます。その方がエネルギー(=食べ物)のイメージをしやすいかと思います。
換算値は1J=0.238846calになります。KJ、Kcalはそれぞれ1000倍にしたものです。では実際に計算してみましょう。計算は3段階あります。
基本消費カロリー
ハンドルを握った状態で距離100Kmを時速25Kmで巡航する場合、一般道での必要パワーはおおよそ①100W(パワーメーターで算出したものの平均値)です。
100kmを時速25kmで走ると4時間かかります。秒換算すると②14400秒。したがって4時間で必要なエネルギーEは③344Kcalです。
エネルギーE=必要パワー100W(①)×所要時間14400秒(②)=1440KJ→calに換算:1440KJ×0.238846cal=344Kcal(③)
エネルギー消費効率
人間の一般的な人間のエネルギー効率は25%なので(④)、必要な食べ物のカロリーCは4時間で1376Kcal(⑤)です。
C=344Kcal(③)/ 0.25(④) =1376Kcal(⑤)
最終的に必要な摂取カロリー
では必要なカロリーは1376Kcalなのか?いいえ、これに加えてもう一つ考慮すべき要素があります。それは基礎代謝です。
人は何もしなくてもお腹は減ります。一般的な基礎代謝が1日2400kcalと言われています。
寝ているときは起きているときの代謝の2/3とされているので、起きている時は1時間で113Kcal消費します。その分も考えれば最終的に必要な摂取カロリーは4時間で1828Kcalになります。
最終的に必要な摂取カロリー=⑤の必要摂取カロリー1376Kcal+(基礎代謝113Kcal×4時間)=1828Kcal
3.具体的な補給方法
消費したカロリーを補充するために食べるとすると、どのくらいの食糧が必要なのでしょうか。
コンビニの80gのオニギリ1個が160Kcalくらいです。なので4時間だと約11個分。(出発前に食べたものがあるのであれば、その分のカロリーを引きます)従って1時間に2.8個です。
オニギリ2.8個は食べ方が難しいので、1時間に3個のオニギリが必要としましょう。オニギリの場合、消化に必要な時間は約30分程度です。
なので、空腹を感じる30分前に1.5個を食べて、以後30分おきに1.5個ずつ食べ続けるとよい計算になります。
ここで注意が必要です。オニギリを補給する前に空腹を感じたとしたらもう遅いです。
オニギリで血糖値が上がる(つまりエネルギーに変わる)まで45分くらいかかります。お腹が減ったと感じてから食べても、手遅れなのです。なので、特に最初の補給は余裕をもって早めに食べておくのがポイントです。
1時間ごとにおにぎり3個は食べられないので、ジェル状のものやカロリーの高い固形物の補給食がオススメです。
腹も膨れないので、運動の邪魔にもなりません。
上記のようにロードバイクは意外にカロリー消費が多いスポーツです。ロングライドで30kmも離れたところでエネルギー切れになると、大変なことになります。