よく書かれているケイデンス80~90で一定にというのは、ロードバイクのロングライド(平地無風時速20台後半~30台前半)でのことだと思います。

ロングライドの場合、速く走るのが目的ではなく長距離を走りきることが目的なので、一定ペースで走ります。

上達していない人がロングライドをすると、平地ではスピードがあがったり、坂では極端に遅くなったりして無駄に体力を使ってしまいます。

ケイデンスのみを真に受けると、スピードが20km/hの時も40km/hの時もケイデンス80~90がいいように思ってしまうが、これが間違いの元になってしまうと思います。

自分の体験から、ロードバイクで時速45km/hのケイデンス80というのは物凄く重いし、時速15km/hのケイデンス90というのはなんにも負荷がない感じになります。

スピード毎(平地無風での話、正確には負荷毎)にケイデンスを変化させて、自分にとって最適ケイデンスを守ることが疲れにくいロングライド走法なのではないかというのが今回のテーマの自分の持論です。


最適ケイデンスの目安

それで、それをどう分析するか。一般的に言われている80~90を30km/hの中心にもってくると、最適ケイデンスの目安はこのようになります。

39km/h – 100ケイデンス
36km/h – 95ケイデンス
33km/h – 90ケイデンス
30km/h – 85ケイデンス
27km/h – 80ケイデンス
24km/h – 75ケイデンス
21km/h – 70ケイデンス
18km/h – 65ケイデンス

目安はこんな感じだと思うが、正確な数値は人によって数値が変わってくるので自分で見つけ出すしかありません。

おそらく、脚力が強い人はこの最適ケイデンスが下降する人もいるかもしれないし、脚力が弱い人は最適ケイデンスはこれよりも上昇するはずでしょう。

つまり、上達していない一般人が高ケイデンスで回そうとすると、軽いギアを使ってシャカシャカと回すことになってしまいますが、これには全く意味がないのです。

きちんとクランクを回すことができるようになって初めて高ケイデンスで回す意味が出てくるのです。


ペダリングのチェック方法

では自分がうまく回せているのか、いないのかをどうやって確認すればいいのでしょうか。それには次のような観察をしてみるのがいいようです。

シャカシャカとペダリングをする多くのライダーが、なぜ本当の意味で回っていないのかというと、チェーンの暴れ具合を見たり、BBの左右のブレを見ると一目瞭然です。

ペダリング中に足が下支点で一瞬止まってしまう事が多いのでチェーンの張りが僅かに緩み、上支点側の足を踏み込んでチェーンが再度張られるという事が繰り返されるので、チェーンが緩んでは張り緩んでは張りとなって細かく震えている。

クランクが1回転する中で力が抜けている場所が無ければチェーンは常に張り続けているのでチェーンの震えは少ない。

BBが左右にブレるというのは、上支点から一気に踏みすぎ、そして時計でいう4時辺りから後方に滑らす動作が出来ていない場合に多く起こります。

最近の高剛性なカーボンフレームではこういった動きがかき消されてしまう事もあるが、金属のフレームではこの動きが顕著に出るので、ローラーに乗りながら自分のBBを見ていれば「回ってない」って事が判ります。

つまり、ローラー台に乗っていてチェーンリングとBBを確認すればいいようです。「チェーンリングがピンと張っているかどうか(震えていないかどうか)」と「BBが左右にぶれていないか」ということを確認してみましょう。

もしも、この2つができていない場合にはうまく回せる技術がないことを意味します。

ペダリングの上達していないライダーほど70回転で練習する必要があるといっています。

どんなスポーツでもまずはしっかりと基礎となる動きを体をゆっくりと動かして正確になぞれるようにマスターしてから、次にその動きを速く行えるように練習していくものです。

一般ロードバイク乗りほど低回転で基礎の動きを練習すべきだと思います。