ロードバイクの練習をしていていると、ケイデンスという単語を聞いたことがあると思います。今回はケイデンスについて紹介したいと思います。


ケイデンスとは何か?

現代のロードバイクの世界では「軽いギアを速くまわす」という高ケイデンスの走り方が主流になっています。クルマで例えるなら、昔のホンダが得意な高回転高出力型。

筋力をあまり使わずに回転力で駆動力を稼ごうという走法です。しかし少し前までは、「重いギアを筋力でまわす」という高トルク低ケイデンスの走り方が普通でした。

この高トルク低ケイデンスの走り方をひっくり返したのが、ランス・アームストロングです。
彼はそれまでの「重いギアを筋力でまわす」という常識を、「軽いギアを速くまわす」という走法でツールドフランスを7連覇しました。

わたしもロードバイクで練習をしていて思うのですが、誰もかれも「軽いギアを速くまわす」という走法は正しいのか?と疑問を感じます。

なぜランス・アームストロングはそれまでの常識を打ち破った走法ができたのか?それはSTIと呼ばれるハンドルから手を離さずに変速ができるようになったことです。

あとペダルとシューズを連結するピンディングペダルが登場したことによると思われます。

1990年までのロードバイクにはWレバーと呼ばれるものがあり、トップチューブに取り付けられていました。変速するにはハンドルから手を離す必要があり、上達するまでかなり練習しなくてはならなく大変でした。

一般道の変化する勾配で一定の回転を保つにはこまめな変速が必要です。wレバーでは、こまめな変速が億劫になり高トルク低ケイデンス走行が常識になっていたんだと思います。

また、ビンディングペダルなしで120回転以上でまわしてみるとわかります。かなり上手く回せる人でなければ、どこかで足がペダルから離れる瞬間があると思います。

ペダルから離れる瞬間があるということは、足がブレるというわけで踏み外したり滑ったりするんではないでしょうか。そういったことからビンディングペダル、STIが生まれたのでしょう。


軽いギアを回す?

「軽いギアを速くまわす」という走法について考えていきましょう。ロードバイクを練習しはじめた初心者では、比較的長持ちする「大臀筋」「ハムストリングス」がまだ発達していません。

だから初心者の方は、踏みがメインのペダリングになりやすいんです。そうすると大腿四頭筋やふくらはぎの筋肉が疲れてきます。

高ケイデンスでの走行は踏み込み系の筋肉と引き足系の筋肉を交互に使う、簡単に言うと入力と脱力ができる人に向いているんではなかろうか。いきなり初心者に力をぬいて〜と言っても難しいですよね。

そんないきなり練習もしないで、ペダルを速く回してしまうとキレイに回せていないのでロスも多くなりスピードが出ません。またヒザにダメージもきてしまいます。

乗り手のスキル・レベルによって常用するケイデンスは異なります。ですので一概に坂で60回転まわすとか、平地は90回転まわすとかは言えないはずです。

では高ケイデンスの真意はなにか?といいますと、「筋肉疲労は心肺疲労より回復しにくい」ということです。筋肉には乳酸がたまって短時間では回復しません。

しかし心肺の疲労は5分も休憩すれば平常時まで回復できます。こういったことから、できるだけ低負荷で速くまわそうという考えになります。

自分の体力、上達レベル、路面の勾配などにあわせてケイデンスを決めていくということが重要になります。