パワートレーニングの第一人者、ハンター・アレン氏による、ロードバイクの冬のトレーニングのポイントを紹介します。

ロードバイクでの冬のトレーニングといえばLSDとウエイトトレーニングを即座に思い浮かべる人が多いと思いますが、彼の文章を読むと、必ずしもそれはベストではないことが分かります。


4つのポイント

冬のトレーニングの4つのキーポイントは次のとおりになります。


1.集中したインドアトレーニング

ローラー台でのトレーニングでまず行いたいのはケイデンストレーニングで、高ケイデンストレーニングと低ケイデンストレーニングの2つから成り立ちます。

ケイデンストレーニングでは目標ケイデンスを維持することが重要で、心拍数やパワーといった指標はあまり大事ではありません。

高ケイデンストレーニングでアレン氏が推奨するのが「ケイデンス110以上で1分、楽なペダリング1分」を繰り返すというメニューです。

このトレーニングは、脚の筋肉の収縮速度を高めるのに役立つそうです。

低ケイデンスのトレーニングは筋力向上を目的としたもので、53:12(アウタートップ)のギアで、10-15km/hの徐行から、シッティングのままでケイデンス80になるところまで全力でペダルを踏むというメニューです。

重いギアでゆっくりとしたケイデンスで1時間踏む、というようなメニューは筋力向上には全く役立たないそうです。


2.スイートスポット強度での連続したトレーニング(SST)

スイートスポットトレーニング(SST)は、FTPの約90%前後の強度(スイートスポット)で15-30分、最終的には60-120分間走るというトレーニングです。

スイートスポットとは、肉体的ストレスがそれほど高くなく、なおかつ持続時間が長い運動強度で、「肉体的ストレスx持続時間」の公式で表される「トレーニング効果」が極大となるポイントです。

3.定期的なクロストレーニング

クロストレーニングとは、ロードバイクに乗らないで行う補助トレーニング全般のことです。

彼が勧めているのは、ストレッチを組み合わせた体幹トレーニング(コアトレーニング)です。ピラティス・ヨガも優れた体幹トレーニングです。

有酸素運動系のクロストレーニングとしては、MTB、トレイルラン、ハイキング、クロスカントリースキー、ローラーブレードです。シクロクロスもいいかもしれませんね。


4.バランスの取れた休息期

4つめのポイントは休息の取り方です。3日続けてハードなトレーニングをしないようにしましょう。

2日間ハードなトレーニングをした後は、1日オフにするか、2日間軽いトレーニングにするようにしましょう。

ロードバイクに乗るだけが上達する方法ではありません。ストレッチと体幹トレーニングも非常に重要です。

休息も非常に大事でトレーニングをしていると休むことが怖くなり、無理をしてしまいがちです。上達するにはバランスよくトレーニングと休息を組み合わせていきましょう。