ロードバイクを買っていろいろとペダリングの勉強をしてると、巷には異なった情報が交錯しており何が正しいかわからなくなってきませんか。
今回はペダリングのイメージをしやすいように、ROTORの楕円チェーンリングを使って説明したいと思います。きっとペダリングの上達がはやくなりますよ。
ペダリングとは??
まず、ペダリングとはどういうことか。ロードバイクを前へ進めるために必要なことは、足に力を入れペダルを踏み込む事でクランクが回りチェーンを動かし、ホイールを回転させる。
人がペダルを漕ぐという動作は足が上下する力を回転するペダルへ伝え、上下の力を円運動の力へ変換されて伝達されます。イメージとしては、車のエンジンでいうと2気筒のピストン運動になります。
実際にペダルを漕いでみると、足の上下の運動では、力の入れやすい場所や入りにくい場所があるということが分かります。これには、膝の角度とクランク角度が関係しています。
みなさん、ウェイトリフティングを思い出してください。重いバーベルを持って、腰を落として持ち上げるのと、少しだけ膝を曲げた位置から持ち上げるのとではどちらが簡単ですか?
当然、少しだけ曲げた位置ですよね。これをペダリング時に当てはめるとどうでしょうか?
膝の角度がクランクを押し下げる時もっとも力が入るのは、足が伸びきる直前の状態であることが分かります。
クランクの角度
つづいて、クランクの角度を見てみましょう。
クランク角度が0度の場合、上死点と呼ばれているようにまったく力は入りません。それに比べて、90度位置ではどうでしょうか。
てこの原理で、この位置がより遠くから力を加えることができ、力が伝えやすい場所であることが分かります。
この2つのことを組み合わせると、より浅い膝の角度で、より遠くの位置のペダルを踏み込むことが、一番力が入るクランク位置となります。
ペダリング中、じつにいろいろな場所の筋肉を使用していることがわかります。
クランク角度が4時の位置が一番発達した筋肉を多数使用して最大のパワーを発揮しています。クランク角度だけを見れば3時の位置が力をもっとも入れやすい場所ですが、膝の角度を考慮し詳しく解析すると、4時位置がMAXとなります。
さらに、効率を上げるためにペダルにシューズを固定して引き足を使うことも行われますが、この力の入れ方も効率が良いものではないことも分かります。人間は直立歩行する動物であるため、足を押し下げて歩きます。
当然骨格や筋肉もそれに合わせて発達しています。ですので重いもの(ペダル)を引き上げる動作は人間には適していない動きになります。
MTBでオフロードを走ったとき、登り坂でリヤタイヤがスリップした経験はありませんか?均等にペダルに力が掛からないと力が強く掛かった場所でスリップします。
舗装路では分かりにくいペダリングのムラがオフロードでは簡単に出てしまいます。長距離を走るロードバイクでは、これが筋肉の疲労につながります。
力を均等にペダルに伝えることができれば最小限の疲労で済む訳ですが、円運動は力を均等には伝えることはできません。
「力の入りやすい場所では、重い歯数を、力の入りにくい場所では軽い歯数を」これがQ-RINGSの理論です。
そこで使える部分は歯数を増やしてしっかり使い、使えない部分(デッドゾーン)では歯数を減らし素早く通過させ、ロスを最小限にして使える場所へクランクを速く回転させ、再び力の入る場所で…という動きを作り出す、これがQ-RINGSの働きです。
強制的に綺麗なペダリングのイメージを作らせるので、相乗効果が生まれます。例えば、無理な力を無理な形で使わなくなるので、サイクリストに多い、膝の故障などのケガが減少します。
真円のチェーンリングを使って真円状にペダリングができれば、それが一番効率がいいのですが、身体の構造上難しいのです。楕円リングがペダリングにもたらす恩恵により、より上達した自分に出会えることでしょう。