ロードバイクの乗り方について、昔ながらの考えでは「骨盤を立てて背中をカーブさせて乗る」というのが正しいと言われてきました。
しかし最近では、やまめ乗りなどのように「骨盤を寝かせて背中は真っ直ぐに伸ばして乗る」ほうがいいという意見も出てきています。
いったいどちらの乗り方がいいのか、気になりませんか。これはもう完全に個人差によります。
ただ単に見た目だけでロードバイクは、従来の骨盤を立てた乗り方がいいとか、やまめ乗りにするわじゃダメなんです。自分がどちらのタイプの乗り方なのか見極めることが大切です。
見極めずに、やみくもに乗っていても上達速度がおそいままです。
自分はどちらのタイプか?
イメージしやすいように、ツールドフランスで活躍している日本人のプロ選手を挙げます。
別府選手のような、「骨盤を立てて、背中を曲げて乗る」、新城選手のような「骨盤を寝かせて背中を伸ばして乗る」タイプにわかれます。
大きく分けると、骨盤を立てるタイプと寝かすタイプではハンドルの位置なども変わってきます。
骨盤を立てるタイプの人は「ハンドルは近くて高く、ステムは短い」傾向にあり、寝かすタイプの人では「ハンドルは遠くて低い、ステムは長い」傾向があります。
これは背中が曲がっているか、伸びているかが違うので考えてみれば当たり前と言えますね。
しかし、立てるタイプの人は割とステムの長さが多少変化しても柔軟に対応できますが、寝かすタイプの人ではポジション変化への許容範囲が狭く、ピンポイントで合わせる必要があるようです。
これは、中野喜文さん(ヨーロッパにあるプロツアーチームのサクソティンコフのマッサー)の解説によると、体の柔軟性の違いだそうです。
骨盤を立てて乗る人(別府選手)は体幹の柔軟性が高いため、ハンドルが近くても遠くても、骨盤の角度は同じままで背骨の湾曲だけで対応できてしまうということらしいです。
逆に寝かすタイプの人(新城選手)では対応できる範囲が狭いためピンポイントで合わせるしかないということになります。
この解説とは逆の意見が、やまめ乗りの堂城さんになります。寝かすタイプの方が柔軟性が高いということですね。
堂城さんは体幹部の柔軟性ではなく、股関節の柔軟性に着目していました。股関節の柔軟性が高い人ほど骨盤を寝かしてサドルに座ることができる。
そして、その場合には自然と背中は伸びる形になります。そうするとその状態で上半身を無理なく維持するためにはハンドルを手で支える位置は一か所に絞られるそうです。
股関節部分に柔軟性が無ければ骨盤を寝かせて乗ること自体ができなくなり、仕方がなく立てて乗るしかなく、そうなると背中を曲げなければいけなくなってしまうという考えのようです。
お二方ともロードバイクのプロであり、いろんな考えのもと解説しているのでしょう。自分で試行錯誤して見極めるしかありませんね。
自分はどちらのタイプか見極める際に、自分一人でやらない方がいいとおもいます。横に鏡を置いて横目で見る方法だと、知らず知らずのうちに意識して自分の思ったタイプをとってしまいます。
ですので、チームや仲間と走っているときに動画を撮ってもらったり、みてもらうといいでしょう。
フォームをきちっと見直すことで、巡航速度が上達しますよ。